ヒナギク考察 ~少女の変化と恋心~
今日はご存知、「ハヤテのごとく!」の人気キャラクター、桂ヒナギクの誕生日です。
誕生日おめでとう、ヒナ!
という訳で、特集を兼ねて、今年はヒナギクというキャラクターについての考察です。
書きたい事を書ききったら、なんだかメチャクチャ長くなってしまいましたが…もう少し記事をまとめる力と、テンポ良く書く力が欲しいです…。
◇少女の過去 ~初登場のシーンから~
桂ヒナギクというキャラクターの初登場は、4巻4話(通算35話)です。
ハヤテが白皇学院に侵入し、それを発見したのが木の上に登っているヒナギクでした。
ご存知の通り、ヒナギクは高所恐怖症です。そのヒナギクが何故自らの意思で高い木に登っていたのか。
それは作中でも描かれている通り、巣から落ちていた"ヒナ"鳥を巣に戻してあげるためです。
そのヒナ鳥はカラスに襲われ、そこに親鳥が戻ってきますが、その親鳥達はカラスに睨まれ逃げていってしまいます。
その時ヒナギクはこんな事を言っています。

「だ…ダメよ~!!ダメよそんなの!!お父さんやお母さんが…子供を見捨てるような事をしちゃ!!そ…そんなのは…!!そんなのは絶対…ダメなんだから…!!」
目に涙を浮かべながら、必死でヒナ鳥を助けようとするヒナギク。
普通に読めば、ヒナ鳥を守ろうとする優しい少女の一面ですが、実際はそのヒナ鳥と自分とを重ね合わせ、ヒナ鳥が自分と同じような悲しみを背負わないようにしてあげようとしていたんですね。
初登場シーンからこの重みです。他のキャラも案外、初登場からこんな伏線が隠されていても不思議ではありません。
◇少女の変化 ~呼び方から~
ヒナ祭りを終えるまで、ハヤテに対するヒナギクの呼び方は何度も変化しています。これはヒナとハヤテとの距離を測る上で重要な要素です。
具体的には
綾崎君→(1)→ハヤテ君→(2)→綾崎君→(3)→ハヤテ君→(4)→綾崎君→(5)→ハヤテ君
と、今までに5度変化しています。
(1)は、ガーデン・ゲートにて、ヒナがハヤテに「ヒナギクと呼びなさい。」と言った直後。
雪路を助け出したあたりから「ハヤテ君」に変化しています。お互いに下の名前で呼び合うという、親しくなった事を示す変化でしょう。
(2)は、マラソン大会でつり橋に誘い出され、その後ハヤテと別れてから、ハヤテと次に会う時(地下ダンジョンへの勧誘時)に変化しています。
この変化は、マラソン大会で、ヒナが高所恐怖症である事を知った上で吊り橋の上に誘い出された事に対しての怒りが現れたものです。
(3)(4)はともに、地下ダンジョンでハヤテと合流した直後です。1回「ハヤテ君」と呼んだものの、ハヤテが「ヒナは自分を心配して助けに来てくれた」と解釈した事に対しツンが発動し、「綾崎君」に戻りました。
ここで「綾崎君」に戻してしまったせいで、ヒナは戻すタイミングを失い、しばらく呼び方は「綾崎君」のままです。
(5)は非常に長く、更に2段階に分ける事ができて
1.ヒナの心の中で
2.ハヤテとの会話で
という順で徐々に「ハヤテ君」に戻っていきます。

91話冒頭の夢の中や、91話中のヒナのモノローグなどでは「ハヤテ君」と呼んでいるのに対し、その直後、ハヤテが追っかけてきた時には「綾崎君」に戻しています。
もうマラソン大会の事は怒ってないし、呼び方も戻したいけど戻すタイミングが分からないという状態ですね。
97話冒頭のヒナの独り言でも「ハヤテ君」になっていますが、ハヤテに起こされた直後「綾崎君」に戻っています。
これが「ハヤテ君」に戻ったのは、3月3日が終わるその瞬間。つまり、ハヤテの事が好きなんだ、とヒナが自覚した瞬間からです。
翌朝、ハヤテの前で自然に「ハヤテ君」と呼んでいますね。この自然に呼ぶまでの間に、人知れぬ苦労があったと。
作中で、一番悩める少女しているのはヒナギクという印象。
西沢さんはハヤテへの気持ちが一途で真っ直ぐなので悩んでいませんが、ヒナの場合は、ハヤテが好きだという事を認めるまでに悶々とし、ハヤテが好きだと認めてからも西沢さんとの約束について悩んでいます。
本当に悩み多き少女です。
◇少女の恋心 ~ハヤテとの関係から~
ヒナギクとハヤテが出会った当初は気軽に話せる友達といった関係でした。
それがいつから今のように一方的な恋心に悩むようになってしまったのか…。
初登場後のガーデン・ゲートでのやり取りでは、ヒナギクが「ヒナギクと呼びなさい。」と言い、呼び方を変える事を促します。
その後剣道部での話を見る限り、誰にでもこのように言っている訳ではないようで、この時点でハヤテに対して好感は持っていたのでしょう。
ハヤテが白皇に編入しようとしている事を知った時嬉しそうだった顔も、まだ恋愛感情と呼べるものではなかったはず。
次にヒナが出る主な回といえば、夜の学校編。旧校舎に迷い込んだハヤテを心配して助けに行ったヒナですが、あまりの怖さにハヤテの名を呼びます。助けに来たハヤテについ抱きついてしまうヒナ。
そしてヒナギクを女として見ないハヤテに対し怒りを覚えたヒナが、「ハヤテ君になら…何されても…」とハヤテを誘うシーン。
ここは今でもハヤテで一番好きといえるシーンで、その後ハヤテの反応を見て楽しんでいるヒナは、今のヒナからすると考えられない出来事です。
僕がヒナを好きになったきっかけのシーンでもあります。
この夜の学校編では、ヒナギクがハヤテをからかって遊んでいる裏で、ヒナのあの台詞は実は本心だったのかもしれないな、と考えてしまいますね。

事実、助けに来たハヤテに抱きついたのは純粋な気持ちなわけで、この出来事で、「恋心」という感情が芽生えたのではないかと思います。
本人はもちろんまだ気付いていませんが。
しかしマラソン大会でのあの出来事の後、そのプライドからかハヤテを簡単には許しません。「いくじなし…」などと、本当はもう少し頑張ってほしかったみたいですけども。
バレンタインデーでは、ヒナの恋心はまだ表面化していなくて、それでもハヤテにあげるためのチョコを持ってきていたのは『好きな人というわけじゃないけど、誰かにチョコをあげるとするなら…』という想いからでしょう。
この時点でヒナの中で一番最初の浮かぶ男子がハヤテだったということで、恋心が生まれていたのは確かでしょうが。
ここで西沢さんと言う伏兵が現れ、結局チョコを渡せずじまいだったヒナ。ここからヒナの悶々デイズが始まります。
ヒナ宅お泊り編では、あれ以降ヒナが悶々としていた事が明かされ、自分の恋心に気づき始めています。
ハヤテ本人の証言により、西沢さんとハヤテが付き合っていなかったことを知り、少しホッとするヒナ。
同時に、西沢さんのハヤテへの真っ直ぐな想いの前に、西沢さんの恋を応援しよう、自分は身を引こう…という感情が生まれてしまいます。
これが後に更なる悶々を引き起こすとも知らずに。
そしてヒナギク関連最大のイベントといえるであろう、ヒナ祭り祭り。
ヒナがひたすら悶々とし続け、そして時計搭でついに自分の想いに気付きます。

このときの感動はもう、言葉では言い表せないほどのものでした。
今サンデーで進行中の隕石温泉編では、ナギと西沢さんの話をメインとしながらも、ヒナの恋愛模様も少しずつ進行していて。
ヒナが自分はどうしたいと思っているのか、それをマリアさんとの相談の中で少しずつ確認していきます。
ヒナの中で出ていた答えと言うのはハヤテ争奪レース(仮称)への参加だと思いますが、西沢さんとの約束の間でまた悩む…それが今のヒナの現状です。
ゴールデンウィークまでの間、そしてその後、どのような展開になるのか。これからの少女の恋路に注目です。
◇少女の今後 ~伏線から~
ヒナギクと西沢さんが彩りを添えても、最終的にこの物語はハヤテ・ナギ・マリアさんの3人がメインとなります。
なので、ナギ以外のキャラの恋の成就はあまり想像できません。僕の場合はナギも成就しないと踏んでますけども。
それでもヒナギクルートのトゥルーエンドを想像するなら、それはやっぱりこの台詞が生きてくるのではないでしょうか。

「少しくらいワガママ言わないと…幸せつかみそこねるわよ。」
この台詞こそ、特にこの記事を書いているときのヒナギクにかけたい言葉です。
西沢さんとの約束とかもありますが、悩みながらも少しくらい欲張って、ハヤテとの恋の成就を目指して欲しいですね。
そんな悩み多きヒナギクが、僕らは大好きなんだから。
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今年は去年と趣向を変えて、考察系の特集でしたが、どうでしたでしょうか。考察と言うよりは、これまでのまとめ的な感じですが。
次回特集は5月15日、西沢さんを予定してます。咲夜も書きたいけど、咲夜は考察できるだけの情報がないので…。
≪関連≫
□よし、ヒナギク様を作ってみよう!
□ヒナ祭り企画 ヒナギクの決断が『ハヤテのごとく!』に与える影響は?
□ひなたのまど というかもうヒナギクのまどでいいです
□東磐牛舎
イラストサイトさんのヒナ祭り。やばいヒナギク可愛すぎる…
□今日は楽しいヒナ祭り! ヒナギク特集(昨年の特集)
| ハヤテのごとく! | 23:12 | comments:9 | trackbacks:5 | EDIT
お久しぶりです。旅行でしばらくきていませんでした。が、ただいま帰還です。
思い起こせばヒナギクはややこしい方ですよね。ハヤテへの恋心をなんだかよく分からないもやもや(決着がついていないこと)と勘違いして戦っちゃったりしましたし。(笑 自分はヒナギクのそんな素直じゃないところが好きです。っていうかマジで現実世界に似たような火と現れろよコノヤロウorz
こんな人がいたら誰も放っておきませんけどね。人目でいいから生でみたいと。
しかしハヤテにヒナギクがとられるのはちょっといらだちます。(笑
| 蛍 | 2007/03/03 23:55 | URL | ≫ EDIT