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ある並行世界における2月14日

―――チョコ作りに費やしたチョコ、67kg。


それだけのチョコを費やしながら、手元には鉄鍋のチョコレート包み。
試しに食べてはみたが、中身が硬くて食べられたものではない。
余りにも無駄。こういうのを心の贅肉と言うのだろうか。

…そんな事を考えている猶予は無い。急がなければ。
ハヤテが帰ってくる前に、完璧なチョコを作らねばならない…!

前回の失敗をハヤテは覚えているだろう。
そう思い、今回こそはと意気込んで、学校を休んでまでチョコを作った。
なのになんだこの体たらくは…。
このままではハヤテが帰ってきてしまう。


諦めてマリアに作ってもらおうか?
ハヤテにばれなければその方が良いのかも…。
いや、私が作る事に意味があるんだ。
私の気持ちを伝えるための、チョコなのだから。

私がチョコを作れないのは、私に実力が無いからだ。
…どうすればいい?どうすれば、チョコが作れる?


ならば、せめてイメージしろ。
おまえに出来る事など、所詮その程度でしかないのだから。


そんなコトを。
今は亡き教会の神父が言っていたのを思い出した。

まだ判らないのか。自分に何ができるのか。
この手は何をすべきなのか。

…そう。
一体何があれば、自分はハヤテに想いを伝えられるのか。

敵は、料理が出来ない自分自身。

――私には負けない。
誰かに負けるのはいい。けど、自分には負けられない―――!


「いくぞ三千院ナギ――――チョコの貯蔵は充分か」


マリアは今は外にいる。タマはマフラーとなり今は亡き者だ。
クラウスは…どうでもいいか。これなら、私の力を解放できる…!

「リィン」

誰も居ない部屋で、一人つぶやく。

「…ん」

今まで何もなかった場所に、神父リィン・レジオスターが現れる。

「リィン、私がチョコを作り終えるまでハヤテを足止めして」

それを。

「ところでナギ。一つ確認していいかな」

場違いなほど平然とした声で、リィンが遮った。

「………なに」

伏目でリィンを見る。
リィンはどこか遠くを見据えたまま、

「ああ、時間を稼ぐのはいいが―――
別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」

そんな、トンデモナイ事を口にした。

「リィン、おまえ――――」


「―――アホか――――っ!!」

エヴァ様ばりの剣幕で、鉄鍋のチョコレート包みで殴ってみた。
霊に当たるはずも無いのだが、成り行きで。

「足止めでいい!足止めでいいから!」

「そうか。ならば、期待に応えるとしよう」

―――――そう言って、神父は消えた。
少し不安が残るが、今は信じるしかない。


さあ、ここからは自分との勝負だ。


「投影、開始」


創造の理念を鑑定し、
                イメージするものは決まっている。
基本となる骨子を想定し、
                投影するに値する、確固たる空想。
構成された材質を複製し、
                 ハヤテと共に舞台に立った記憶。
制作に及ぶ技術を模倣し、
                     私とハヤテの晴れ舞台。
成長に至る経験に共感し、
                  その記憶を具現化すればいい。
蓄積された年月を再現し、
                何度もハヤテと共にカラーを飾った、
あらゆる工程を凌駕し尽くし―――――
                リボンを巻いた自分自身―――――!
ここに、幻想を結びチョコと成す―――――!


…数分の後。
我が執事が、私の元へやってきた。

「お嬢さま…」

そこに鎮座していたものは。
チョコに身を包んで、リボンを巻かれた主の姿。

「さあハヤテ、私を食べるがいい」

投影で力を使い果たした。
もう、意識を保っていられない。
物凄い恥ずかしい事を言っている気がするが…
そんな事を気にする、余裕も無い。

「お嬢さま」

執事は主の身を気遣う。

「どうしたハヤテ、遠慮す…る……な………」

主は執事に声を掛ける。

「お嬢さま!」

主は静かに眠り始めた。

「お嬢さま!お嬢さま!」

執事の声は、少しずつ遠くなって。
そしてまた、何か別の声が聞こえてきた。

暗い闇の底に、語りかけるような声。
これは聞き覚えのある、暖かい声…。
これはマリアの声ではなかったか。

「――――見ているのですか、ナギ」

呟いた言葉は風に乗る。
眠りに落ちた主は、果てのない青に沈むように。


「夢の、続きを――――」


遠い、遠い夢を見た。
そしてこれから、本当の2月14日が始まる―――――


- Fin -
【舞台裏】

思いつきでやった。今は反省している。


まあMoonGazerさんのファンなので、バレンタインはSSしかないだろう、という訳で。
ハヤテに贈るのはリボンを巻かれたナギしかないと思ってました。
方向性が360度の方針転換さんと微妙に被ってしまいましたが、まあニュアンスが異なるのでよしとしよう(謎

とはいえもて王サーガばりにパロの分量が多くなってしまったのはいかがなものか。まあ、ハヤテも作中でパロってますしね!いや、あの、ネタが思いつかなかったからパロで埋めたって訳じゃないですよ?元ネタ分からない人にはグダグダなSSでしかないですね('A`)

というか、結論は夢オチってことで。

なんかもう、メチャクチャだー!人気ブログランキング

昨日は一日これのネタを考えてたら日が変わってましたw
ジャンプとかFate6話感想は今週末に上げます。

| ハヤテのごとく! | 22:08 | comments:0 | trackbacks:0 | EDIT

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