4月1日に始まったアニメ版「ハヤテのごとく!」も第1クールが終了しました。
いい区切りという事で、ここで一度ここまでの話の順序や台詞の変更、伏線の登場や回収、そしてアニメオリジナルギミックである現実との時系列一致について少し考えてみたいと思います。
原作ファンの方はどうぞお付き合いください。
第1クール総括と言いつつ予定より2週間もアップが遅れてしまいましたが…。
(i)構成
※かなりやっつけなテーブルでごめんなさい。
※しかも通算表記でごめんなさい。大体あの辺かな、と思ってもらえれば。もしかしたらハヤテ関連ブロガーの方はこっちの方が見やすいかもしれませんが。
※リンクは当ブログでの該当話の感想です。よろしければそちらもどうぞ。
※7/12追記:一部の話の原作該当話が間違っていたため修正しました。とりあえずアニメ版の1クール目の構成としては、3話までは物語の導入。
4話以降は本編のイベントを消化するよりも、とりあえず主要キャラを登場させておこう、という流れですね。ヒナギク、サク、伊澄、ワタル、サキさんと登場させてこれで7話。
主要キャラと括る場合、重要度の割に西沢さんのまともな登場が遅いのが気になりますが、一応1話から登場していることと日程的な理由(彼女の誕生日は5月15日なので)もあったのか後回しにされた感じでしょうか。
8話以降は原作第1部(1話~32話)での重要イベントに加え、オリジナル1話とヒナギクの重要イベントが1話ずつ。ヒナギクをここ(アニメ版9話)に持ってきたのは人気投票No.1だからでしょうね。
第1クールでは10話のオリジナル話を除けば、「導入」「キャラの背景」「キャラの登場」を中心に展開されました。第1クール全体として「導入」の意味があったのでしょう。
少し気になるのは8話と10話が作中時間が一致しているということ。
ハヤテの声優をやっている白石さんの手術の都合なのかもしれませんが、ただでさえカオスな内容の10話なんですから、せめて視聴者の混乱を防ぐためにも8話と9話を入れ替えるべきだったのではと。
ハルヒのようなギミックを仕掛けている訳でもないのに、無駄にややこしい仕組みにする理由はありませんから。
(ii)台詞改変
アニメ本編での台詞改変は大抵はアニメとしての流れを重視したものでしょうが、気になる台詞改変をその中からいくつかピックアップ。
いくつか見落としてるかもしれないですがそれはご愛嬌。
・ヤクザ絡みハヤテの借金がらみでの「ヤクザ」あるいは「借金取り」と言ったような言葉がことごとくカットされ、「とても親切な人達」といったような表現に変更されています。
ヤクザってのは日曜朝10時的にはアウトなのかな?と解釈していたら、12話では西沢さんが(ピー音つきとはいえ)ヤクザ言ってたし、理由がよく分かりません。
ピー音つきであればOKだというのなら1話からそれでも良かったような…。
・ヒナギク夜の学校編、人体模型に襲われヒナギクが助けを求めるシーン。
原作では、ヒナがハヤテと初めて会ったとき(アニメ版では4話)の「助けに行きますよ」を思い出し「ハヤテくーん!」と叫ぶのですが、アニメでは「誰かー!」になっていました。
そもそも、夜の学校はヒナ→ハヤテフラグを大幅に進行させた話であり、特にこのシーンは「ハヤテくーん!」と「誰かー!」では意味合いが違います。ハヤテを頼ったのと、誰でもいいから助けて、では全然違いますからね。
つまり、この改変は意図的に「ヒナ→ハヤテ」のフラグの進行を遅らせていることが表れたシーンと解釈できるわけです。深読みしすぎな気もしますが。
1年で終了になる場合、ヒナギクルート最重要イベントである「ヒナ祭り祭り」はやらないのかな、やっぱり…。
・西沢さん告白の話で、原作での呼び方「綾崎君」から「ハヤテ君」になってましたね。
アニメの感想を見回っていた感じではここに違和感を感じた方も多いようですが、むしろこれは自然な変更ではないかと思います。
というのは、原作で「綾崎君」と呼んだのは告白の話のみであり、潮見高校時代(原作114話の過去回想)、及び告白後次にハヤテと会った時(原作43話のハムスター話)では「ハヤテ君」と呼んでいるからです。
アニメではAパートが告白、Bパートがハムスターでしたから、AとBで何の脈絡もなく呼び名が変わるのはおかしい。それを考えればこれは自然な変更といえるのではないでしょうか。
(iii)伏線等
原作のアレはやるのか、出るのか、アニメで張った伏線が回収されるのかについての推測です。あくまでアニメが1年で終わるという前提の下で考えてます。
伏線というタイトルはちょっと違う気もしますが気にしない。第1クールじゃまだほとんど書きようがないのも気にしない。
・姫神わざわざオープニングでシルエットを出しておいて、「1年じゃそこまで辿り着きませんでした!」はないでしょうから、絶対どこかで登場するはず。
そしてアニメOPのために設定を書き下ろしたということを考えると、アニメの方が早く出る可能性は高いので、原作ファンにとって一番気になる点でもあります。
それくらい姫神は原作ではもっと物語が進まないと出てこないキャラだと思うのです。少なくともアーたんよりは後だと思う。
・アーたん伏線なんか全く張られてませんが多分重要キャラなので一応。
原作ではおそらく新学期に出ると考えられているキャラであり、アニメが1年で終わるとすれば時系列一致の関係上出ないでしょう。
もっとも、ヒナギクの誕生日イベントすらスルーあるいは簡略化されそうな雰囲気ですから、甲斐性の話をアニメで出す必要はないため、伏線が未回収になる心配はなさそうです。
・シスターショートアニメDVDにはちょっとだけ出てたのに、アニメのオープニングにはいなかった人。
マラソン大会はともかく執事とらのあな編はアニメではやらないと思うので、1年では出てこないと思うし、彼女が出る話は原作でも殆どないので、ファンの方には申し訳ないですが出てこなくても綺麗にまとまるような気はします。
・飛行石帝に貰ったペンダントの事です。回収されない率が高すぎて困る。
原作でも回収されていませんから、アニメで回収されることはまずないと思ってよさそう。
そもそも、この飛行石にかけられた呪いを伊澄が解呪するイベントが発生していない事を考えれば、伏線とすら認識されていないのではなかろうか。
(iv)時系列一致
アニメ版では実際の時間と季節を合わせていることが一番の特徴です。それ故第2クールはEDテーマが夏をテーマにしたものに変更されました。
まだ結論を出すには早すぎる時期ですが、個人的にはこれは失敗だったんじゃないかなあと思っているのが正直な所です。
もちろん新しい試みとして良いとは思うのですが、このせいでたくさんの制約が出来てしまっているわけで。
原作が日程を意識している都合で、アニメでは実現が難しくなる、あるいは重要なのに後に回さざるを得ないイベントが多くなることや、アニメ版が2年目に突入した場合、卒業シーズンに入ってしまうことなどが主なデメリットでしょうか。
あと、季節が合うのはあくまで一部地域のみであるという事実。1クール、つまり季節が丸々1個遅れて放送される地域も結構あったりするのですが…。
これだからアニメの関東圏優遇は困るぜまったく。
(v)総括
原作を忠実に追っており、作画的にも脚本的にも第1クールの完成度は高かったように思います。まずはこの作画が維持されることを期待。
原作での序盤の重要イベントはある程度こなしたと思うので、そろそろ積極的にオリジナルを開拓して欲しいとも思います。
オリジナルイベントがあってこそ時系列一致が生かされると思うし、原作の延長線上ではなくパラレルワールドと考えていることもあり、原作の考察に使えるネタはオリジナル話くらいなものなので。
今後の積極的なオリジナル話、そして"遊び心"に期待します。
ジェネオン エンタテインメント (2007/07/25)
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